クランメリアに恋をした。 ~歌詞割りから見る楽曲分析~

クランメリアに恋をした。

それはもう、崖から突き落とされたかのような衝撃をもって。

何度聴いても理解し切れず、何度聴いてもまた聴きたくなり、何度聴いても異なる感情を抱く。

そんなクランメリアからもう離れられない。

 

※クランメリアとは、Hey!Say!JUMPシングル曲『I am/Muah Muah』通常盤のカップリング曲です。まだ聴いたことがない人はたぶんきっと人生損してるから聴いてください。試聴もできます。※

www.j-storm.co.jp

 

”クランメリア”を手に入れてから、何度も何度も聴いた。

JUMPファンの枠を超えて、クランメリアを評するたくさんのツイートが流れてきた。

嬉しくて、私もクランメリアを誉め讃えたいと思うのに、どんなに言葉を尽くしてもこの”良さ”が伝わらない気がして、ずっと二の足を踏んでいた。

でも性格上、”好き”にも、”嫌い”にも、どんな感情にも根拠をもちたいタイプなので、クランメリアを恋する気持ちはそのうちクランメリアを心ゆくまで分析したい、”好き”の根拠探しをしたい、そんな気持ちになった。

 

と、こんなわけで私なりにクランメリアを分析・考察してみようと思います。

※ド素人の妄想に満ちた、自分の”好き”を整理したいがためだけの記録(そのためですます調ではありません)になるので、嫌な方はそっと閉じてください…

歌詞と歌詞割りを中心に世界観の考察になると思います。まずは公式ページより、クランメリアの紹介文を引用しておきます。この紹介文を軸に考察します。よろしければクランメリアを聴きながらご覧ください!※

 

カップリング曲「クランメリア」は、次世代マルチクリエーターの急先鋒・『みやかわくん』のペンによる、情熱的なスウィング系ダンスナンバー。歌詞を書き上げた時にふと頭に浮かんだという「クランメリア」という造語は、汚れた不条理な世界で真実の愛を探し続ける妖艶な女性、という歌詞のテーマを想起させるワードであり、楽曲タイトルにも採用されています。

[J Storm OFFICIAL SITEより]

 

 

①”山田涼介”と『紅(あか)』

クランメリアには『紅』という色が印象的に使われている。

抜き出してみよう。

 

①枯れた指先でい果実をなぞる 朽ち果てる程

②手のひらじゃ 決して外せないい扉の鍵は 揺るがないまま

③枯れた指先でい果実をなぞる 朽ち果てる程

 

この全てにおいて「紅」を「あか」と呼んでいる。ではなぜ「赤」ではなく「紅」という漢字を使ったのか。

調べてみたところ、「赤」はもともと「夜が明けて明らかな様子」から転じたもの、「紅」は赤の鮮やかさを強調したいときに使うのだそう。

ここでもう一つ言うと、「紫」というのは昔から日本において高貴な色とされていたのはよく知られていることだが、実はクランメリアに使われている「紅」という色も、紫色の色調が加わったがゆえのより鮮やかな赤であり、江戸時代の女性の憧れの色だったそうなのだ。

”あか” と ”山田涼介” と ”憧れ”

この3つに共通点を持たない人の方が、特にカップリング曲を聴くであろうHey!Say!JUMPファンには少ないのではないだろうか。(このへんは多分山田担が補足してくれるはず)

 

もう少し掘り下げていく。

”紅い(あかい)果実”と聞いて、真っ先に思い浮かべたのはアダムとイヴの「禁断の果実」である。他国では異なるところもあるが、日本において「禁断の果実」といえば「あか」を想像する人が多い。そしてアダムとイヴといえばそう、カインとアベルの両親である。

ここでも”山田涼介”とのつながりを感じる。(彼の月9主演ドラマタイトルが「カインとアベル」だったため。)

カインとアベルとのつながりは深読みしすぎかもしれないが、「紅い果実」から「禁断の果実」を連想する、というのは予想してのものだろう。すなわち、「神から絶対に食べるな、と命令された知識の樹の果実」である。この果実を食べると、神と等しい善悪の知識を得るとされる。

「サヨナラ」と 枯れた指先で紅い果実をなぞる 朽ち果てる程

心まで 溶かしてしまえよ ひび割れたこの瞳で

つまり、善悪の判断さえも「サヨナラ」し、「真実の愛」を探す、という、主人公となる女性を冒頭で描きだしていると考えられる。

 

単純に歌詞だけを追うならば、紅い果実自体を"妖艶な女性"が朽ち果てるほどにずっと追い求めている"真実の愛"に比喩しているとも考えられるので、2通りの意味を持たせているのでは、と考えられる。

また、冒頭部分の歌割りだが、赤部分が”山田涼介”、その他がメンバー全員パートである。

「サヨナラ」と 枯れた指先で紅い果実をなぞる 朽ち果てる程

心まで 溶かしてしまえよ ひび割れたこの瞳で

後にまた同じ歌詞が出てくるが、この歌詞割りは冒頭だけである。

 

上記の理由から、私は、この冒頭は”クランメリア”の世界観での登場人物紹介のような意味も込めているのでは、と仮定した。

"妖艶な女性"の人物像とともに、"クランメリア"における"真実の愛"を担うのは誰か、ということを示唆しているのでは、と考えた。

 

すなわち、

”クランメリア”において、”真実の愛”の象徴となるもの、”妖艶な女性が追い求める存在”、それこそが”山田涼介”、であるのではないか。

 

※枯れた指先・手のひら="妖艶な女性"と捉える

※上記の根拠ついては、後述で補足していく。(最後に記した歌詞割を見るのが1番分かりやすい)

※注意点として、クランメリアにおける”山田涼介”はあくまで歌詞の世界観において名前のない象徴としての存在であり、JUMPの山田くんをそのまま主人公に据え置いて歌詞作りをしたわけではない、と思う。ただ”真実の愛”の象徴を”山田涼介”が演じている、というような。主人公は”妖艶な女性”なので、この曲におけるヒロインならぬヒーローを山田くんが担当しているのだと思う。区別として、クランメリアの中での山田くんを語るときは、" "をつけてフルネームで記している。

 

 

②”薮宏太”と”妖艶な女性”

”山田涼介”が”真実の愛”の象徴、すなわち”妖艶な女性”が追い求める存在であるのなら、果たして”クランメリア”の主人公、”妖艶な女性”は一体誰が担っているのか。

その答えが、”薮宏太”の歌割りにある、と考えた。

 

そこで”薮宏太”の印象的なパートを抜き出してみる。黄緑色が”薮宏太”ソロパートである。

ハモリパートも分析しがいがあるのだが、とりあえずソロパートだけ。

不器用で不埒な私を 抱きしめてよ さあ

錆びた理想に感覚に心臓 戻れない 無限の執着の回路

途端に締め付けるリズムに この身を粉々にされながら

(やぶひかハモリの合間に薮ソロ)

”不器用で不埒な私”とは、明らかに主人公、つまり”妖艶な女性”である。

”薮宏太”パートが"妖艶な女性"として印象的であるのは、女性自身の生々しい叫びのようなパートを担当していることからも明らかである。

しかし、他のメンバーもハモリやソロパート、セリフ等で”妖艶な女性”の言葉をのせているような部分がある。

そのため、”妖艶な女性”を担っているのは、”薮宏太”率いる”山田涼介以外のJUMPメンバー”と考えた。

(”妖艶な女性”について『この身』、つまり心や気持ちではなく身体自体、肉体的な叫びを歌っているのは”薮宏太”だけであるから、”薮宏太”が”妖艶な女性”の表面的な部分、身体自体を代表していると考えた。その他のJUMPメンバーは身体ではなく心や心からの言葉(=本当の気持ち、本音のようなもの)を担当していると考えたのだが、根拠は後述する。)

 

”山田涼介” と ”薮宏太” 

ツイッターでも話題になっていた。”クランメリアのあの2人が凄い”の2人である。ぱっと感じた歌割りの比率は単純な歌唱力だけでなく、クランメリア自体の世界を表現する術であり、クランメリアの世界を成立させるための主役として、表現者、歌で演ずる者としても、この2人が抜擢されたのだと思う。

また、"クランメリア"の主役を代表する2人と考えれば、2人のことを知らないファン以外の方からも注目が集まるのは自然のことである。(し、並外れた歌唱力がそれを助長している。)

 

 

③情景・心情描写の八乙女光”有岡大貴””中島裕翔”

某関ジャ○という番組で、ミスチルの歌詞の凄さという特集を見たことがある。

ミスチルは、拍の中にたくさんの言葉を入れ込むことで感情移入を誘うのだそうだ。

これは、歌詞を入れ込む作詞の技術は勿論だが、歌い手が自然に言葉を詰め込む力量が問われる。そこで白羽の矢が立ったのが、上記の3名である。

ラップ詞、とも言えるだろうか。Aメロ部分を見てみよう。

八乙女:静かに降り注ぐ  甚だしいくらいの無数の刃に

中島:溢れる詭弁と / 涙の理由も見い出せずに

有岡:淀む未来眩む世界  バラバラになったこの心と

仄暗い 痛み 嘆き 苦しみ 愛でるように(ハモリ)

クランメリアは4拍子なので、1小節4拍の小節の切れ目にスラッシュ(/)を入れた。小節ごとの単純な文字数を表記してみると、

八乙女: 9文字 / 18文字

中島 : 8文字 / 14文字

有岡 : 12文字/ 14文字

このようになる。クランメリア自体が文字数の多い曲だな、という印象だが、この部分はラップ詞のようでもあり、より意図的に文字を入れ込んだ感じがうかがえる。

どうして同じ拍にも関わらず文字数を多く入れられるのかというと、”アフタクト”と呼ばれる、小節に入る前の拍に文字を詰め込んでいるからだと考えられる。

このことを踏まえてもう一度聴いてみると、

八乙女光”であれば「甚だしい」

”中島裕翔”であれば「涙の」

”有岡大貴”であれば「バラバラに」

を通常の拍よりも少し前からスタートさせて歌い始めていることが分かる。(=アフタクトから歌い始めている。)こうすることで、続く言葉へ引き込む効果がある。

この部分を歌うのには相当な技術が必要であると考えられるが、3人は実にナチュラルに歌い上げ、特には小技を効かせて(光くんの「刃」の歌い方等)、聴き手をすんなりと世界に招き入れる。

 

Aメロで”クランメリア”の世界観にグッと引き込む役割をこの3人が担っていることが分かったが、同時にこの部分が、”クランメリア”の舞台である”汚れた不条理な世界”の情景と心情を端的に描写しているとも言える。

いかに世界観の中心となる描写であるかは、作詞・作曲である『みやかわくん』自身が、

「歌詞を書き上げたとき」

に思い浮かんだ単語である”クランメリア”と音が似た言葉、”淀む未来””眩む世界”があることからも分かるのではないだろうか。個人的な話になるが、”眩む世界”を”クランメリア”っぽく歌う有岡くんの粋さに脱帽した。

 

※以下補足※

少しコアな話になってしまうが、この3人だけでなくJUMPはこの部分もとても勉強して歌っているので補足させてほしい。

拍には強い拍と弱い拍というのが存在する。

4拍子の曲では、強い-弱い-(少し)強い-弱いというよう拍となるのが普通である。

たとえばかえるの歌だと太字が強い拍(強めに歌う)となる。

の ー て 

この1拍目の強拍に向かう前に入れ込むのがアフタクトというわけだ。

1つ例をあげると上記の裕翔くんパート、「溢れる」の「あ」を少し溜め気味にしっかり強調、「詭弁」の「き」を弱く強調している。優等生タイプ、定石をしっかり踏んでいく歌い方をする裕翔くんが最近歌い方の幅を広げてきたので今後も楽しみで仕方ない。

 

これを踏まえて”クランメリア”を聴いても面白いのでぜひ試してみてほしい。

(この辺をもっと詳しく書きたい気持ちは山々なのですが文字数が既に4000超えたのにまだ自担の自の字もでてこないのでやめときます)

 

④『この心』と”髙木雄也””伊野尾慧””知念侑李”

”クランメリア”が解禁されたとき、「歌詞割りが複雑」「誰が歌ってるのか分からない」といった感想を多く見かけた。

私は、それこそが”クランメリア”の歌詞割りの狙いだったのではないか、と考えた。

 

③において解説した有岡くんパートを、”クランメリア”の音に似た「眩む世界」もあることから、一つのキーワードとして捉えてみよう。

淀む未来 眩む世界 バラバラになったこの心と

眩む世界、”クランメリア”の世界観において、”妖艶な女性”の『心』は『バラバラとなった』のだ。

そのバラバラさこそが、複雑な、誰が歌っているのか分かりにくい、『声がバラバラな歌詞割り』に繋がっているのでは、

『声』すらも、”クランメリア”の世界観を作り上げる一つの材料として繋がっているのでは、と考えた。

 

だから、”真実の愛は一つ”とはよく言ったものだが、”真実の愛”の象徴である”山田涼介”のパートは分かりやすく、ソロパート、すなわちバラバラではない、1つの、唯一の『声』なのだ。そしてそれを担当できるだけの歌唱力があるのが、Hey!Say!JUMPのエース、山田くんなのだ。

対して”妖艶な女性”は、心がバラバラになってしまったがゆえに、”薮宏太”を中心としたJUMPメンバーが、歌割りを複雑にすることでより『バラバラな声』を表現しているのだ。

 

バラバラになってしまった”妖艶な女性”の”この心”、複雑な内面である『心の声』を表現しているのが、”髙木雄也””伊野尾慧””知念侑李”である、と考えた。(他メンバーが加わるパートもあるが、中心として3名をあげた。”有岡大貴”もこの3人に加えて『心』を担当する部分も多い。マルチプレーヤー。)

ここで象徴的なパートを抜き出してみる。

(抜き出すと分かるのだが、『バラバラになったこの心と』を担当した有岡くんがユニゾンで度々登場することからも繋がりを感じる)

※ユニゾンは聴き間違いがあるかもしれません…コンサートで答え合わせしたい

 

伊知:不器用で不埒な私を

薮 :抱きしめてよ さあ

~~~

髙 :見つけられない

髙有:約束のFreedom

伊 :壊れそうなくらい

伊有:愛を注いだ

髙 :機械の成れの果てなんかさ

伊 :ゴミ溜めに投げて捨てるの

「不器用で不埒な私」と歌う”伊野尾慧””知念侑李”はまさに”妖艶な女性”の心の声であり、2人の声が、「身体」としての”妖艶な女性””薮宏太”の「抱きしめてよ」へと繋がる。(抱きしめるのは身体なので)

最初は”薮宏太”だけがソロパートで『抱きしめてよ さあ』と、(おそらく”真実の愛”の象徴である”山田涼介”に対して)歌っていたのに対し、『この身』が『この心』によって粉々にされ、灰と化したことで

『この心』を歌ってきた”伊野尾慧”と、『この身』を歌った”薮宏太”がともに、

崩れて消えたはずでしょ 忘れさせてよ さあ

とユニゾンで歌いあげる。”妖艶な女性”の 『心』と『身体』が初めて一体化したような感覚に鳥肌が立った。

有 :淀む未来 眩む世界 バラバラになったこの心と

伊 :仄暗い

有 :痛み

伊 :嘆き

有 :苦しみ

髙 :愛でるように

知 :「離さないで」

 

その後に繰り返されるかと思った情景・心情描写では、”有岡大貴”が『この心と』と発した後、『心の声』を担当していた3人の声が怒涛のように混じり合い、それこそ妖艶な「愛でるように」の後、最終的に”知念侑李”が囁くように「離さないで」と発する。『心』と『身体』が一体化したことで、心の声が言葉となって表出したかのように。

…それにしてもこの知念くんの「話さないで」は罪すぎる。"妖艶な女性"がやっとやっと言葉に出した本当の、ずっと誰かに言いたかった気持ち、絞り出した小さい声、そんな「離さないで」がなんて上手に表現できるんだ彼は。直前の高木くんの「愛でるように」との対比も相まって最高に印象付く部分だ。

 

個人的な話になるがpart2、いつもコンサート下手でマイクを通さずコソコソお喋りしている3人が心の声を担当するのは感慨深い。(そして私得)誰がこの歌詞割をしたのだろう………

 

⑤”山田涼介”が歌うユニゾンパート

上記を全て読んで下さった方の中には、一つの疑問が浮かぶ人がいるかもしれない。

…というか、浮かんだ人がいたのなら、私の拙い文に対する読解力が凄いので握手したい。

 

”山田涼介”が唯一の”真実の愛”の象徴なら、あのユニゾンパートはどうなるの?

そう。今まで詳しく触れていないユニゾンパートがある。さあどこ??

 

黄昏れた あの闇に煙る 朧げな街は今も 憂いを降らす

 

ここです!合ってた?合ってたらすごい!(固い握手)

ここユニゾンよね?山田くん歌ってるよね?確かめるためにウン十回聴いたけど山田くんだと判断したので考察しました。

 

これって情景描写じゃないの?

”クランメリア”における”山田涼介”は唯一の役割を担ってるんじゃなかったの?

私も思いました。山田くんだからマルチプレーヤー的に情景描写もしているのかな?とか。(実際そうなのかも)

まあでも気になる単語もあったので調べてみた。

皆さんは『黄昏(たそがれ)』という言葉を知っていますか。意味は以下の通り。

黄昏(たそがれ):夕暮れ。盛りが過ぎた頃。

文字通り夕暮れ時、闇が深くなっていく時刻という意味もあるだろうが、『黄昏』にはこんな語源がある。

黄昏(たそがれ):誰そ彼

『誰そ彼』、昔の表現で『あれは誰だ?』という意味。薄暗くなってよく見えず「あれは誰?」となったのが語源である。そしてその『黄昏時』、幽霊や妖怪が現れやすい時間とされていた。

心霊現象=この世のものではない、幻のような現象が起こりやすいのが『黄昏』という時刻なのだ。

そんな意味を持つ『黄昏れ』と、「不確か」という意味をもつ『朧気な』という両方の言葉を持つフレーズを”山田涼介”が歌う意味。

それは、”山田涼介”、つまり”妖艶な女性”が追い求める存在が、不確かな幻であることを指すのではないか。

(もし山田くんパートじゃなかったとしても、”理想”とされるものが不確かな幻であることが考えられる)

 

そんな幻である”山田涼介”すなわち”真実の愛”を追い求める歌、それがクランメリアであるのではないだろうか。

 

そしてずっと『ひび割れたこの瞳で』と歌っていた”山田涼介”が最後の最後に『君だけのこの瞳で』と余韻たっぷりに歌い上げた意味。それこそが”クランメリア”の世界の救いであり、暗いだけの曲ではない答え合わせなのではないか、と考える。

(ちなみに"君"="妖艶な女性"なので、やはり"山田涼介"は妖艶な女性ではないこともより根拠付けられる。)

 

ぜひ皆さんの”ひび割れたこの瞳”そして”君だけのこの瞳で”の考察を聴きたいです。

 

⑥改めて感じる”クランメリア”

最後に歌詞全文を載せてみる。

世界観の軸となる”山田涼介”ソロパートを赤、”薮宏太”ソロパートを黄緑で記す。

 

改めて見返すと”山田涼介”ソロパだけ明らかに視点が異なることが分かる。

「溶かしてしまえよ」と命令しているのは彼だけ。「手のひら」(=妖艶な女性=実体のあるもの)では「紅い扉の鍵」は開かなかったのに、いとも簡単に「特別な夜を授け」「ロンリネス(孤独)から抜け出そう」と言ってくれるのも(実体があるかも分からない、幻としての)彼だけなのだ。

 

もはや、"山田涼介"の担う"クランメリア"の世界の中の"彼"とは、"妖艶な女性"の生み出した幻、"理想"という概念でしかないのかも、とも考えてしまった。

そして幻であり、理想である"彼"を表現するのに、山田くんほどぴったりな逸材はいない。Hey! Say! JUMPの誇りです。

 

クランメリア

作詞・作曲 宮川大聖  編曲:Mind United

 

「サヨナラ」と 枯れた指先で紅い果実をなぞる 朽ち果てる程

心まで 溶かしてしまえよ ひび割れたこの瞳で

 

静かに降り注ぐ 甚だしいくらいの無数の刃に

溢れる詭弁と涙の理由も見出せずに

淀む未来 眩む世界 バラバラになったこの心と

仄暗い痛み 嘆き 苦しみ 愛でるように

 

黄昏れたあの闇に煙る 朧気な街は今も 憂いを降らす

不器用で不埒な私を 抱きしめてよ さあ

 

ゆらゆらと 揺れる旋律と汚れた蜜で嬲る 狂おしい程

どろどろに 溶かしてしまえよ ひび割れたこの瞳で

 

見つけられない約束のFreedom 壊れそうなくらい愛を注いだ

機械の成れの果てなんかさ ゴミ溜めに投げて捨てるの

錆びた理想に感覚に心臓 戻れない無限の執着の回路

途端に締め付けるリズムに この身を粉々にされながら

 

遠くから耳を掠めた 未完成な愛の唄は 灰と化して

崩れて消えたはずでしょ 忘れさせてよ さあ

 

手のひらじゃ 決して外せない紅い扉の鍵は 揺るがないまま

特別な夜を授けよう 今すぐ抜け出そうロンリネス

 

静かに降り注ぐ 甚だしいくらいの無数の刃に

溢れる詭弁と涙の理由も見出せずに

淀む未来 眩む世界 バラバラになったこの心と

仄暗い痛み 嘆き 苦しみ 愛でるように

「離さないで」

 

「サヨナラ」と 枯れた指先で紅い果実をなぞる 朽ち果てる程

心まで 溶かしてしまえよ 今すぐ骨の髄まで

 

ゆらゆらと 揺れる旋律と汚れた蜜で嬲る 狂おしい程

どろどろに 溶かしてしまえよ 今すぐ骨の髄まで

君だけのこの瞳で

 

 
楽曲提供して下さった『みやかわくん』は、こんなに解釈の余地のある曲を作れる天才だと思う。文学の偉い人が「解釈の幅が多ければ多いほど良い文学」と言っていたけど、それは楽曲も同じ。皆さんの思う”クランメリア”考察、解釈もぜひ知りたい。

なにはともあれ、Hey!Say!JUMPにこんな天才楽曲がきてくれて本当に嬉しい!!!!

 

このブログを読むと山田くんと薮ちゃん主軸に回ってる曲のように感じてしまうかもしれませんが、文字数の関係で触れられなかった絶妙な歌い方とか拍の取り方とかもっと色々あるのです…

Hey! Say! JUMPみんなみんな本当に歌が上手い!し、より上手くなった!!!!!歌割り交換バージョンとかもきいてみたいなー。

好きすぎてJUMP担だけで大事に大事にしていきたい気がしちゃうくらい、宝箱に入れておきたくなるような曲です。でもやっぱりたくさんの人に知ってほしいし、知ってもらえれば絶対にファンが増えると信じられる楽曲だから、どうか披露の場があるといいな…

 

ここまでハマったのは多分Come Back…?以来で、光くんのことも作詞作曲の天才タイプだと思っているので、私は数回じゃ理解し難いのに感覚的に離れられなくなる天才タイプの曲が好きなのかもしれない。

 

ここまで読んでくださってありがとうございました!支離滅裂で読みにくくてごめんなさい!

まだまだ書きたいことがあるので、もしかしたら第2弾を書くかもしれないし、書かないかもしれません笑 

クランメリアが大好きだーーーーーーー!

 

そしてクランメリアの世界観を表現できるHey!Say!JUMPが大好きだーーーーーーー!!

おしまい!