John Darling ナイモノネダリ MV考察

 

 

橋口さん自らラジオで紹介、コメントしてくださり、歌詞フルバージョンもアップされ、ますます興奮が募る「wacciプロデュース John Darlingのナイモノネダリ」。歌詞はもちろん演出も含めて何もかも一本のライン上に計算されている凄さに震えてちょっと抱えきれないので、はきださせてください…お目汚しすみません…

 

まずは橋口さんの、ナイモノネダリに関するコメントはこちら。

 

ピーターパンをテーマのした一曲なんですけど、すごく素敵に歌っていただいてですね。複数人いらっしゃるボーカルグループなんで、サビとかはユニゾンが入るように、譜割り多めになったりしたんですけど。後半になるに連れて重なっていく感じに歌ってもらえましてですね、それがすごく主人公の気持ちを引き立たせてくれてて、またみなさんの重なった声っていうのがほんと素晴らしくて。書き手としてすごく感謝しています。

2020.10.19 ワチドア

 

その前のコメントで橋口さん自ら「wacciプロデュースと言わせてもらってもいいのかな」と言っていることから、ナイモノネダリは橋口さんが作詞作曲し楽曲提供しただけでなく、譜割り(おそらく、どこをソロパートでどこをユニゾンパートにするか、というもの)はもちろん、映画のようなMVも含めた総プロデュースだということが改めてわかります。

ソロパートとユニゾンパートの使い分けも、MVの脚本も、どの歌詞でどの場面を映すのかということも、全部ひとつのストーリーの中で深く繋がっているんだろうな、と考えられるわけです。

 

というわけで、

  1. ピーターパンとの関わり
  2. 歌詞・譜割り・MV映像
  3. 対比構造
  4. 歌割り

の4つの視点から、ナイモノネダリを考察してみました。

 

1.ピーターパンとの関わり

ピーターパン 概要

原作はジェームス・マシュー・バリーの「ピーター・パンとウィンディ」
ウェンディたち姉弟のもとへ現れた永遠の子どもピーターパンと一緒に、ネバーランドへ冒険に出るお話。

 

詳しく調べるとびっくりするくらい盛り沢山のピーターパンなので、それだけでも面白いところなのですが、今回絞って絞って注目したのは以下の二点。

 

・ピーターパンが自分の影を探すために家に忍び込む。ウェンディに影を縫い付けてもらったピーターは、彼女をネバーランドに連れていって迷子(ロストボーイ、ピーターの子分たち)のママになってもらうと言い出す。

・女性であることを理由に薪運びを命じられたウェンディは、怒りや落胆とともに一足先に隠れ家に帰り、ネバーランドから家に帰る決心をする。

出典:Wikipedia

 

これを踏まえて、ナイモノネダリの歌詞の中で特にピーターパンが見え隠れする部分を見てみます。(マーカー部分)

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「明日の朝はとても早いの」

プロローグとエンディング両方で歌われるこのフレーズ、「結婚式の前日。明日の朝は早起きをしなければ。」という文字通りの意味に加えて、「ピーターパンと冒険に行く子どもたちのように明日のことを考えずに行動なんてできない。夜遊びなんてできない」という意味があるように思えます。

それは、

 

「随分大人になったよ」の「私」

         ⇅

「子供のような」無邪気さをもつ「あなた」

の対比からも分かります。

ナイモノネダリの主要人物の2人は、

随分大人になった私=ネバーランドから帰ってきたウィンディ=大人

         ⇅

子供のように無邪気なあなた =ピーターパン=永遠の子ども

ネバーランドから帰ってきたウィンディのセリフに「大人になるわ。」というものがある。

 

終始このような対比構造にあり、「私」はその対比の中で揺れ動くものの最終的には「随分大人になったよ」と意思が確立していきます。

※ナイモノネダリの世界観では、ピーターパン=永遠の子ども=自由の象徴のようにも扱われている。

 

ピーターパンを匂わせるものはまだまだありますが、簡単にだけ触れておきます。

 

空も飛ばずに

→空を飛ぶ=ピーターパン=永遠の子ども。
自由なあなたと結婚相手との対比
迎えに来て連れ去ってよ
→ピーターパンがウィンディたちをネバーランドに連れて行くのになぞらえている。
あなたの影を抱きしめてあげたい
→ピーターパンの失くした影をくっつけてあげたのはウィンディ。
魔法が溶けてゆくまで
→ウィンディたちはティンカーベルの魔法の粉で空を飛びネバーランドに行く=ネバーランドは空想の世界。
あなたとの時間は、現実から目を背けた空想のような時間だったという比喩。
もう一度連れ出してよ あの日と同じ夜空へ
→上に同じ。「明日の朝は早いの」を忘れて夜空へ=夜でも連れ出してほしい
=時間等の制約のない自由な空間の象徴が「夜空」であり、「あの日連れ出してくれた場所」、ネバーランド
あんな風には飛べないけど
→あんな風=ピーターパンと冒険に行ったウィンディのように、あの頃現実を見ずに自由にあなたと過ごした私のようにはもう過ごせない。
→原作では、ネバーランドにて子供で在り続ける弊害をウィンディは感じます。(そのうちの一つが、女性であるというだけで薪運びをさせられるということ)そんなウィンディと同じように、子供で居続けるあなたといる弊害を感じた結果が、「この恋は二人をだめにする」だったのでしょう。
空を見上げて
→空=ピーターパンの象徴 見上げているということは、地面にいるということ。
=私はもう「地に足」ついている。ウィンディがピーター・パンを残して現実(家族が待つ家)に戻ったように。

 

2.歌詞・譜割り・MV映像

ソロパートとユニゾンパートの譜割りをご覧ください。

マークがソロパート、マークがユニゾンパート、?は現時点で公開されていないパート

 

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以下、便宜上1番2番3番と振ってしまいましたが個人的な番号付けです!

 

結論から言うと、このMVは

1番 現在 ソロパート

2番 過去 ユニゾンパート

3番 未来 ?(未公開)

という構成だと考えられます。ここではその詳細を、歌詞・譜割り•MV映像を絡めてみていきます。

 

-MV オープニング-
現在の"私" と、すれ違う"彼≒過去"の描写

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-MV 無音-

が止まったような」描写

※「」、つまり過去•現在•未来に思いを馳せるきっかけとなった「あなた」との再会。

ちなみにピーターパン原作では、家へ帰ったウィンディがその後年に1回、スプリング•クリーニング(イースター前の大掃除)だけ再会する約束をします。(ピーターパンは毎年約束を守るわけではありません。)つまり、3月頃再会する約束をしています。

MVの衣装を見てみると、マフラーをするほどではないけれどコートを一枚羽織った主人公…もしかしてスプリング•クリーニングの時期を意識しているのでしょうか、だとしたら凄い…この「再会」から、物語が紡ぎ出されます。

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-MV イントロ-

物語が優しく始まるようなイントロの中に、少しの揺らぎのような音が含まれている短いイントロ

 

1番 考察

明日の朝はとても早いの〜

私はこの道の先でちゃんと幸せになるからね

 

明日の朝は とても早いの

ドレス纏って神に誓うの

とても優しい素敵な人よ

 

ここまでは単なる「私」の独り言のようにも、誰かに話しているように聞こえますが、誰に対しての言葉かははっきりわかりません。

 

しかし、次の

【窓①】

『私ね随分大人になったよ』

この歌詞は、「大人」と「子供」の対比構造から、「子供のようなあなた」に語りかけていることが分かります。

 

そしてMVで初めて「夜の」「窓」が映し出されるのはこの歌詞の時。

以後、

「子供のようなあなた」を思い出すときには「窓」への視線が主人公の感情を代弁するかのように使われていくMVになっています。まるでウィンディがピーターパンを待っている場面のように。

 

ここでは便宜上【窓①】のシーンとしておきます。

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【窓①】から【窓②】までの間は、主人公の中の「あなた」との楽しかった頃の記憶が映し出されます。

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それにしてもこの「あなた」、主人公との出会いの場面だと思いますが、儚げで消えちゃいそう…現実感が薄い印象です。

 

【窓②】

まだ誰のものでもない私の最後の夜に

あなたを思い出している私は ナイモノネダリ

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1番 考察まとめ

歌詞 :「あなた」に語りかけている「私」    

視点は終始現在

現在の私の様子、現在のあなたに関する想像、現在の私の意思

MV     :オープニング-【窓①】-楽しい記憶-【窓②】

譜割り:終始ソロパート(歌詞カードマーク部分参照)
     

 

-間奏-

あなたとの楽しい記憶がセリフ付きで映し出される。

ウェディングヴェールみたいな、というセリフが刺さる。

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2番 考察

愛のかわりに自由手にして 明るく見えて実は孤独で〜

なんてね もう私きっと あんな風には飛べないけど

 

1番に比べて、2番の歌詞には過去の主人公の気持ちが強く表されています。

「私はそんなあなたの影を抱きしめてあげたい そう思ってた

「理想やきれいごとだけを 魔法が溶けてゆくまで唱えてた

 

過去形の歌詞が連なったところできました、窓!

 

【窓③】

まだ誰のものでもない私の最後の夜に

あなたを思い出している私は ナイモノネダリ

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【窓①】と【窓②】の回想がどちらかといえば「私とあなた」の楽しい記憶の回想だとすれば、

【窓③】は、「この恋は二人をだめにする」と思うに至った記憶の回想。

窓辺のうつる主人公の表情もどことなく悲しげ。

 

【窓③】を経て、

「なんてね もう私きっと あんな風には飛べないけど」

と気持ちが振り切れたような歌詞になります。「あんな風」とは過去を指し示していると考えられるので、この歌詞で過去パートが終わったことがわかります。

※「この恋は二人をだめにする」→指示語「この」を使用。過去の中にいるような視点で語っている。

  ⇅

   「あんな風には飛べないけど」→指示語「あんな」を使用。過去に対して遠い視点=現在の視点で語っている。

 

2番 考察まとめ

歌詞 :過去の主人公の気持ちが強く表されている。 

視点は過去

MV     :間奏-二人をだめにすると思った記憶-【窓③】

譜割り:終始ニゾンパート(歌詞カード部分参照)

 

間奏なし

 

3番 考察

あなたとの出会いがなければ〜

私ね随分大人になったよ

いきなり【窓④】がきます。

【窓④】

あなたとの出会いがなければ はここにいないでしょう

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視点が過去から現在に確実に戻ったことがはっきり分かります。「」ってきっぱり言ってるのは迷いが振り切れたからなのかな、と想像してみたり。表情もそことなく和らいでいるし、何よりも窓の外を見ていない!窓の外の世界、ウィンディがピーターパンの連れ出してもらった夜空に視線がないのです。

現在に戻ったことで、譜割りもソロパートに戻ります。

 

回想場面はおそらく別れのシーン。

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【窓⑤】

忘れないよ あの笑顔

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【窓⑥】

まだ誰のものでもない 私の最後の夜に

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【窓⑦】

あなたを思い出すなんて私は 私は

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【窓⑧】

まだ誰のものでもない私の最後の夜に

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【窓④】〜【窓⑧】は、別れのシーンと交互に映し出されます。

「まだ誰のものでもない私の最後の夜にあなたを思い出すなんて 私は 私は」

私は、の後に続く後ろめたさや切なさや、色んな気持ちが複雑に絡み合った心境を現在過去画面が次々に切り替わることが、過去と現在が密接に絡み合っていることを表しているのではないかと思います。

 

「あなたとの出会いがなければ今の私はここにいないでしょう」は過去があるから現在がある、ということ。

「忘れないよ あの笑顔」は過去を忘れない、ということ。

「あの笑顔」は、「あなた」の笑顔のことかな?とも感じますが、MVで「私」の笑顔がアップで映し出されているので、「あなたに笑顔にしてもらった私のあの笑顔」とも、二通り考えられます。あなたとの出会いで得た楽しさ、笑顔、思い出、おそらく少しの切なさも胸に未来へ進む私の意思を強く感じる場面です。

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現在MVは未公開の終末部分は、歌詞だけを考えると【未来】視点だと考えられます。

1番:現在

2番:過去

3番:現在過去が混ざり合い、未来に繋がっていく。

 

「振り返るのはもう終わり」

「描いた未来の始まり」

「この道の先で」

「早く寝なくちゃ肌に響く」

未来を感じさせる言葉が散りばめられています。

MVや譜割りでどう表現されていくのか、楽しみで仕方ありません。

 

3番 考察まとめ

歌詞 :現在過去が繋がり未来となる。

MV     :【】と【記憶】が交互に絡み合う→?(未公開)

譜割り:ソロパートニゾンパート→?(未公開)

 

以上のことから、【歌詞】【MV(演出&脚本)】【譜割り】の3点が、過去•現在•未来の視点を行き来し、、ピーター・パンという軸を持ちながら【】をテーマとして密接に絡み合うことで、橋口さんの言う主人公の気持ちを引き立たせることに繋がったのではないかな、と思います。

個人的には歌割りもとても興味深くて意図的としか思えないので、最後に蛇足的に触れておきます。声が似ている個人名(世界観に忠実に生きてます☆)は出さず、色分けで記入しますが、見たくない方はスルーしてくださいね。

 

3.対比構造

自分の頭の中の整理用として、ナイモノネダリに含まれる対比の数々をピックアップしていきたいと思います。考察というか、メモ的なただの羅列です。前述したものも含みます。

 

①私(主人公)が手に入れたもの&失くしたもの

⇆あなたが持っているもの&ないもの の対比

(失くしたもの、ないものを△で表します。)

 

私【愛・結婚】

•とても優しい素敵な人を手に入れた(結婚)

•一度も泣いてない

•大人になった私

△笑わせてくれるあなた

△二人をダメにすると分かっていても蓋をしてしまうほどの楽しさ

△理想やきれいごと

△魔法のような楽しい時間

 ⇅

あなた【恋・自由】

•愛のかわりに自由を手にしている

•子供のような無邪気さ

△明るく見えて実は孤独

△愛ではなく恋

 

曲名「ナイモノネダリ」に繋がる対比部分です。

 

②私の結婚相手⇆あなた

【私の結婚相手】

夢に溺れず 未来見据えて 空も飛ばずに 地に足つけて

とても真面目で素敵な人よ 私ね 一度も泣いてないんだよ

  ⇅

【あなた】

あなたはまたこの世界のどこかで 子供のような無邪気さで無茶をして

誰かを泣かせてるんでしょ それ以上に笑わせてあげながら

 

 

4.歌割り

(おそらく)8人分の歌声をを使い、歌割りを予想してみました。

 

ナイモノネダリ 歌割り予想

明日の朝はとても早いの ドレス纏って神に誓うの

とても優しい素敵な人よ 私ね 随分大人になったよ

夢に溺れず 未来見据えて 空も飛ばずに 地に足つけて

とても真面目で素敵な人よ 私ね 一度も泣いてないんだよ

あなたはまたこの世界のどこかで 子供のような無邪気さで無茶をして

誰かを泣かせてるんでしょ それ以上に笑わせてあげながら

 

まだ誰のものでもない私の最後の夜に

あなたを思い出している私は ナイモノネダリ

迎えに来て連れ去ってよ あの日のように なんてね

私はこの道の先で ちゃんと幸せになるからね

 

愛のかわりに自由手にして 明るく見えて実は孤独で

私はそんなあなたの影を 抱きしめてあげたい そう思ってた

この恋は二人をダメにする わかっていて楽しさで蓋をして

理想やきれいごとだけを 魔法が溶けてゆくまで唱えてた

 

◎まだ誰のものでもない私の最後の夜に

◎あなたを思い出している私はナイモノネダリ

◎もう一度連れ出してよ あの日と同じ夜空へ

◎なんてね もう私きっと あんな風には飛べないけど

 

あなたと出会いがなければ

今の私はここにいないでしょう

ありがとう なんていうつもりはないけれど 忘れないよ 

あの笑顔

 

まだ誰のものでもない私の最後の夜に

あなたを思い出すなんて 私は

◎私は

 

(以下未公開)

まだ誰のものでもない私の最後の夜に

あなたを思い出している私はナイモノネダリ

振り返るのはもう終わり 描いた未来の始まり

私はこの道の先で ちゃんと幸せになるからね

明日の朝はとても早いの ドレス纏って神に誓うの

早く寝なくちゃ肌に響くと 窓辺に頬杖 空を見上げて

私ね随分大人になったよ

 

以上をもとに、歌割りごとに歌詞を抜き出してみます。

 

パート  結婚•愛(私)⇆孤独•自由(あなた)の対比を歌うパート

【1番 現在】結婚式を控えた私•を得た私

明日の朝はとても早いの ドレス纏って神に誓うの

とても優しい素敵な人よ 私ね 随分大人になったよ

【2番 過去】孤独なあなた(結婚と対)•愛のかわりに自由を得たあなた

愛のかわりに自由手にして 明るく見えて実は孤独で

【3番 未来】

※未公開

 

パート 現在•過去それぞれの私の相手に対する思いを歌うパート

【1番 現在】「とても真面目で素敵」だと思っている結婚相手について

夢に溺れず 未来見据えて 空も飛ばずに 地に足つけて

とても真面目で素敵な人よ 私ね 一度も泣いてないんだよ

【2番 過去】「影を抱きしめてあげたい」と思っていたあなたについて

私はそんなあなたの影を 抱きしめてあげたい そう思ってた

【3番 未来】あなたにもらった楽しさや笑顔だった自分を忘れない、という決意

ありがとう なんていうつもりはないけれど 忘れないよ 

あの笑顔

 

パート あなたにされたこと•してもらったことに思いを馳せる私

【1番 現在】泣かされ、それ以上に笑わしてもらった私の思い出

あなたはまたこの世界のどこかで 子供のような無邪気さで無茶をして

誰かを泣かせてるんでしょ それ以上に笑わせてあげながら

【2番 過去】二人をダメにすると感じさせられながら、蓋をしたいほどの楽しさを感じさせてくれたあなたとの思い出

この恋は二人をダメにする わかっていて楽しさで蓋をして

【3番 未来】されたこと•してもらったこと、全てが「今の私」に繋がっていると気付いた私

あなたと出会いがなければ

今の私はここにいないでしょう

 

パート 現在•過去•未来をまたいで葛藤する主人公の気持ちのパート

【1番 現在】あなたを思い出している(※1)

まだ誰のものでもない私の最後の夜に

あなたを思い出している私は ナイモノネダリ

迎えに来て連れ去ってよ あの日のように なんてね

私はこの道の先で ちゃんと幸せになるからね

【2番 過去】理想やきれいごとと知りながら現実から逃げていた私=葛藤しない魔法の世界

理想やきれいごとだけを 魔法が溶けてゆくまで唱えてた

【3番 未来】あなたを思い出すなんて(※2)

まだ誰のものでもない私の最後の夜に

あなたを思い出すなんて 私は

 

1思い出している

※2思い出すなんて

※1よりも※2の方が葛藤の度合いが高まっていることが分かる。

 

それぞれのパート割りだけ見ても、現在→過去→未来の変化が分かりやすく、それだけで一つの詩のようです。

 

 

最後に曲名「ナイモノネダリ」について、あえてサラッとしか触れなかったのですが、

ないもの‐ねだり【無い物強=請り】
ない物を欲しがること。実現できないことを無理に望むこと。

出典:goo辞書

辞書の意味はこちら。あえてひらがなではなく、カタカナでつけた曲名の意味とはいかに…。

3.対比構造で触れた通り、私とあなた、お互いの失ったもの、あったはずのもの、だけどやっぱりもともと無かったかもしれないものを望むナイモノネダリという意味なのか。

はたまたこれは誰のものでもない私の最後の夜、大人になる前の「私」のネバーランド、空想の世界のお話、まさに実現できないナイモノネダリの物語だったのか…?

John Darlingはウィンディの弟の名前なので、姉ウィンディの物語を客観的に伝えているとも捉えることができる………

皆さんはどう考えましたか??

 

 

私が考えることができたのはこんな感じですが、良い歌詞であればあるほど解釈の幅が広がるもの。橋口さん凄すぎて鳥肌が止まらないです。いやーーー、ずうっと聴いてられるしみてられます。楽しい!!!もっと色んな解釈を聞きたいし語り合いたい!素敵な楽曲をプロデュースしてくださったwacciさん、そして見事に表現したJohn Darlingさんに拍手、何より感謝感謝です!

 

最後に、MV150万再生、おめでとうございます!!!!

「ナイモノネダリ」Promotion Video Short Ver. - YouTube

 

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